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- peko

- 2024年8月18日
- 読了時間: 5分
更新日:2025年9月21日


19世紀の難破船が、未開封のシャンパンなどを収めた木箱を満載した状態でスウェーデン沖のバルト海の海底に沈んでいるのが見つかった。
発見したポーランド人ダイバーのチームによると、シャンパン、鉱泉水、ワイン、磁器が積まれている。
注目されているのは陶器に密封された鉱泉水で、ドイツのゼルタースという銘柄。19世紀当時の高級品で、王族・貴族に愛飲されていた。なんと、このゼルタースも容器の陶器メーカーも健在で、積荷は1850~67年製造のものと判明した。
スウェーデン当局の許可を得て陸に上げるまで1年ほどかかる見通し。

1888年以来チリ領のイースター島は現地語でラパ・ヌイと呼ばれ、正式名称をパスクア島という。ここは亜熱帯性気候のためブドウ栽培には適さないが、野生のブドウの木は毎年実をつける。それでも1800年代後半にはブドウ畑が点在していたが、宣教師が去った後は放置されていた。
6年前、ワインメーカーのアルバロとフェルナンドが地元のパートナーと協力し、この古くからの伝統に息を吹き込んだことで、この物語は活気に満ちた展開を見せた。新しいブドウの木を植え、野生のブドウの木を健康な状態にまで育て、ラパ・ヌイのスパークリングワインを作り上げた。
今年7月にDOラパ・ヌイが誕生し、アルバロとフェルナンドは現在ピノ・ノワールやシャルドネなどの新しいブドウの木を植えている。

今の20代、30代の人たちは、10~40年後の未確定の日のために高級ワインを貯蔵することはしない。しかし、古いヴィンテージを飲みたいという欲求は、そのための手段を自分で用意するという習慣と同じ割合で減少しているわけではない。むしろ、より多くの若者が古いワインを求めるようになっている。
アルゼンチンのメンドーサにあるカテナ・サパタでは、2002年、各ヴィンテージの10~20%を貯蔵し始め、20年もののワインをリリースしている。
ナパ>セントヘレナのクインテッサでは、2012年から若いワイン愛好家や初心者コレクターにヴィンテージを超えて飲むことのメリットと可能性を教えることにした。
2020年にプログラムを開始し、10年経過のワインをワインクラブ会員などに提供した。
同じくナパにあるシャトー・モンテレーナでは、2018年、エステート・カベルネの10年再リリース・プログラムとシャルドネの再リリースプログラムを開始した。
シャンパーニュのシャルル・エドシックでは、ヴィンテージ専用のリリースを用意している。
ワイナリーから直接ライブラリー・ヴィンテージを購入できるということは、消費者にとってはとても嬉しいこと。一番適切な保管が途切れずされていて、かつ本物であるという保証がある。

気候変動により、イギリス産スパークリングワインがもてはやされるというニュースは以前にも紹介したが、今回はスティルワイン!
スパークリングワインにとって適した地になったことで、外資であるテタンジェ、ポメリー、フレシネなどが既に参入しているが、今回カリフォルニアの大手ジャクソン・ファミリー・ワインズが大規模な投資を発表し、既にブドウを植樹している。
しかも、ジャクソンが手掛けるのは発泡酒ではなくスティルワインだという。
これまでのイギリスでは、世界クラスのピノやシャルドネを造ることはできないと考えられていた。近年の気候の変化と技術の向上で2004年から2021年の間にブドウ栽培面積は761haから3800haへと拡大した。特に暖かかった2022年のヴィンテージのピノはアルコール度数14.5%だったという。現在、多くの生産者がスパークリングからスティルワインへ軸足を移している。
では、これらのブドウはどこに植っているのか。
ロンドン東部に位置するエセックス州のクラウチ・ヴァレーは、現在どこもかしこもブドウ畑。イギリスで最も乾燥し、霧の心配はほとんどなく、日照に恵まれた場所だそう。
ちなみに、ジャクソン・ファミリーは、このプロジェクトを英国市場で確立し、成長させていく としている。まずは自国で成功後、最終的にはアメリカ、カナダ、日本など他の市場に少量ずつ割り当てる予定とのことだ。

Nature Reviews Earth & Environmentに掲載された200以上の研究の最近のレビューによると、気温が2度以上上昇すれば、世界中の現在のワイン生産地の最大70%がワイン生産に適さなくなるという。NASAの科学者によれば、抜本的な対策を講じなければ、2100年までに世界は2.5度から4.5度まで温暖化するという。
すでにブドウ畑では、収穫時期をどんどん早めているが、収穫が早まるとブドウのバランスが崩れ、ワインの品質が低下する可能性がある。ブドウ栽培者は、気候変動をコントロールすることはできないかもしれないが、自分たちが耕作する畑をコントロールすることはできる。ブドウの木の向きや育成方法を見直し、高温からブドウを守っている。
チリのドン・メルチョーでは、0.4エーカーの実験用ブドウ畑に長さ15メートルの畝を60本植え、放射状に植えられたブドウ畑がブドウの発育と成熟をどのように変えるかを調べている。(写真)
オレゴン州のワインメーカーもブドウの木を放射状に植え、円を描くようにトレーニングすることで、成熟を遅らせることができることを発見した。日焼けの影響を受けにくくなったという。
ナパのニール・ファミリー・ヴィンヤードでは、アルバリーニョ、フィアーノ、ヴェルメンティーノといった白ワインの上にカベルネ・ソーヴィニヨンなどの赤ワイン品種を直接植え、日陰を作るようにした。その恩恵は非常に大きく、水を追加することなく実質的に生産量は倍増。二酸化炭素排出量は半分になり、ブドウの品質も向上したという。
また、ナパのシャトー・モンテレーナでは、1972年以来最大の植え替えを行なっており、長年の気象データから1日のうちで最も暑い時間帯を割り出し、太陽がどの方角から照りつけるかを正確に把握。土壌の健全性を重視し、乾燥や害虫に強い台木を加えることに加え、ブドウ畑全体の向きを変えている。7月と8月の午後2時という最も日差しが強くなる時間帯に、キャノピーの真上から日差しが降り注ぎ、ブドウは葉陰で守られるという。
